先日、衝撃的だったことがありました。本人の自覚がないままにネットワークビジネスをやっていたというもので、「俺は副業として代理店を始めただけだ」と主張されました。
今回は、ネットワークビジネスやMLMをやってはいけない理由と、その見破り方を解説したいと思います。
ネットワークビジネスは「絶対悪」ではないけれど、「ほぼほぼ悪」です!
先日、あるディレクターさんからご連絡をいただき、お会いする機会がありました。彼とはかなり前に、あるプロジェクトをご一緒した方だったこともあり、「また仕事の話かな?」と思ったのですが、危うく悪の道に誘い込まれるところでした(って、誘い込まれないのですが・笑)。
ところで、ネットワークビジネスって、どんなものかご存じでしょうか?
「ネズミ講」などとも呼ばれますが、実際にネットワークビジネスをやっている人は、「一緒じゃない」と熱く語ります。でも、結局は同じシステムを使っていて、その還元率が低いか高いか(実現可能か、不可能か)の違いしかありません。
なぜ、私がそう言えるのかというと、私自身がネットワークビジネスのアニュアル作成やパンフレット製作を請け負ったことがあり、また、数多くのお誘いを受けたことがあるからです。片棒担いでたのかよ・・・という話ですが、「成功の可能性は誰にでもある」という点ではある意味、間違いはなく、「絶対悪」と言うことはないと思っています。
ただ、実際に成功する人の割合は1%以下(システムによりますが)。さらに、そのわずか1%のタイトル保持者になったところで、その収入を確保し続けるために、自分でも物品を購入し続けなければならず、本当の意味で成功している人は、さらに限られます。
さらに言うなら、話の上手な人が必ずでてきて、「誰でも儲けることができる簡単なビジネスなのよ」とその気にさせることから開始するところが気に食わない!
多くの方がご存じのように、起業をして必ず儲かるわけはありません。リスクも必ずあるわけです。その部分を説明せず、「簡単に・・・」などというのは、だまし以外の何ものでもありません。
正直言って、多少儲けが出たところで、失った友人の数と「あの人に近づいてはいけない」という悪評のリスクを比較すれば、絶対にやるべきではないのです。
そんなこと、分かってるよ!
という声が聞こえてきそうですが、最近は手口が巧妙化していて、気づかないうちにコロッと騙される人もいます。
本人がネットワークビジネスだと気づいてなかった理由は?
ズバリ言いましょう。その方がだまされていた理由は、イメージしていたネットワークビジネスではなかったからです。
【彼がだまされた理由】
- 海外から参入したての無名のブランドだった
- あくまでも代理店になっただけ
- 代理店の数は限定されていると言われた
- 友人、知人を自分で誘うことはないと言われた
- 会員にさえなれば、不労所得が得られると言われた
ネットワークビジネスをやっている会社は、小さいところも含めると、何千とあります。そのほとんどは聞いたことがなくて当然だと思うので、怪しいと思ったら疑わなければなりません。実は彼、途中で「あれ?これってもしかして・・・」と思ったそうで、聞いたんだそうです。そうすると、
「ネットワークビジネスはイヤですよね。友だちを失うから。私も嫌いなんです。だから安心してください」
と言われたんだそうです。でも、これって、否定してませんよね?
私から言わせると、なぜそれを鵜呑みにするのか?ということですが、彼は根拠のない安心感を持ってしまったのです。しかも、「友人、知人を誘う必要はない」と言われたはずなのに、結局、私に連絡をして誘っているわけです。このあたりの思考回路はよく分かりません。
また、「代理店の件数は限定されている」というのも最近の常套手段です。ここはいつか説明できればと思うのですが、確かに限定されるシステムなのですが、だからといって、自分がトップになれるわけではなく、またそれだけ脱落者が多システムだということなので、この言葉は鵜呑みにしてはいけません。
ネットワークビジネスを取り巻く法は整備されていますが、その中には、「私たちはネットワークビジネスです」と名乗らなければならないというルールはありません。法ではあくまでも、「十分なシステムの説明をする」とされているのみ。そこで「ネットワークビジネスです」と言われなかったからと安心してはいけないわけです。
最初に費用を払わされたり、毎月の購入義務があるものは疑うべき
では、ネットワークビジネスに巻きこまれないためにはどうすれば良いのでしょうか?
答えは簡単。毎月、物品の購入を強要されたら、ネットワークビジネスだと思ってください。
ネットワークビジネスは、なかなか輪を広げられないものです。そのため、すでに会員になっている人たちが商品を購入し、その利益を上位者が吸い上げることで、一部の人が儲けるシステムとなっています。そのため、必ず毎月商品を購入させられます。それが納得できる価格であれば、購入者として参加することは止めませんが、不要なモノを強制的に購入させられるのであれば、やめておいてください。
また、毎月購入はさせられないけど、初回に商品を大量に購入させられるというのも同じです。「ディストリビューターに」と言われれば、「それって怪しいよね?」と思えるのですが、最初に大量購入させられるところは、「代理店になるための物品購入に必要」と言ったりします。こう言われると、「そりゃ当然よね」と思ってしまいます。そこに罠があります。
ちなみに、その彼は、「自分で商品を売る必要はないけど、代理店になるには必要」と言われ、50万円近くのお金を払っていました。やれやれです。
さらに彼の悲しいのは、どんなにネットワークビジネスだと言っても聞く耳を持たず、「俺は代理店になっただけ」と主張しています。聞けば、まだクーリングオフ期間なようでしたが、あの勢いでは、きっと解約しないことでしょう。
巧妙化する手口に欺されない
ネットワークビジネスの手口は年々、巧妙化しています。しかも、リクスがないと信じている人が進めてくるので、伝えられた人もリスクがないと素直に信じてしまいます。
あとは、「奥さんが知らないうちにやっていた」とか、「旦那さんが自分の友人にまで商品を勧めてた」なんて悲劇的なケースもあります。自己防衛だけでなく、家族防衛もお忘れなく。
儲けられる可能性が少ない副業や、ましてや他人を不幸にするビジネスはやるべきではありませんので、ご注意ください。